平凡さの中の潜む非凡

2014年03月25日05:06

先日、映画「ワンチャンス」を見てきました。
いや~感動して涙が止まりませんでした。
でも、その一方で泣きながらもなぜか笑ってしまうシーンもあり、
大きな感動と同時に、安らぎや安堵感をももたらしてくれる、
そんな、暖かみのある映画でした。

これは、イギリスのオーディション番組
「ブリテンズ・ゴット・タレント」の第1シーズンの決勝大会で優勝した
ポール・ポッツの半生を描いた映画です。
その2年後、同じ番組に
さえないおばさんとして登場したスーザン・ボイルの映像と歌声が
YouTubeで9日間に1億回以上も視聴されたこともあり
今や世界的に知られている番組でもあります。

デブで内気でいじめられっ子だったポールは
子どもの頃からオペラ歌手になることが夢でした。
しかし現実は、そんなに甘いものではなく
番組に応募したときのポールはすでに36歳、
携帯ショップで働くごく普通の販売員に過ぎませんでした。

ポールは内気な性格でしたが、とても純粋な気持ちの持ち主でした。
生まれて初めてのガールフレンドであるジュルズと
1年間のメル友を経て、ようやく訪れた初デートのとき
彼女にプレゼントしたのが、なんと懐中電灯!
花を買おうとして花屋さんに行ったら、たまたま休み。
何かを買わなければと考え、思い立ったのがなぜか懐中電灯だったのです。
何とも、飾り気のないポールの素朴さを表すエピソードではありませんか。

その後、パブで耳にした街のコンテストに出場し優勝、
その優勝賞金でイタリアへ行き、
そこで世界的に有名なテノール歌手パヴァロッティの前で
歌うチャンスを掴みます。
ところがあまりの緊張のため声は上ずり、うまく歌えず、
結局はパヴァロッティに途中で歌うのをとめられてしまい、
「君はオペラ歌手にはなれないだろう」と言われショックを受けます。

失意のどん底で帰国したポールでしたが、
ジュルズとの結婚により幸せな時を取り戻します。
しかしそれを境に、病気や事故と、次々と不運に見舞われ、
もう完全に歌を諦めようと思っていた矢先に、
ネットでたまたま「ブリテンズ・ゴット・タレント」の広告を見つけ、
これが最後のチャンスだと思い、応募することにしました。

コンテストの実際の映像はYouTubeで見ることができますが、
鳥肌が立つとはまさにこのことです。
映画でもこの映像が使われていました。
是非、一度見てみて下さい、何度見ても感動します。
ポール・ポッツ、コンテスト予選YouTube映像

さて、どうしてこの映画にそんなにも感銘を受けたのでしょうか。
それはポール・ポッツという平凡な人物の中にある非凡さを
ものの見事に浮き彫りにしているからではないかと私は感じました。

ポール自身、お世辞にもかっこいいとかスタイルがいいとは言えません。
実際、コンテストで冴えない服で登場したポールがオペラを歌うと言ったとき、
客席からは失笑がもれ、
審査員も「この男がオペラなんて歌えるの?」という顔をしていました。
そんなポールの歌声を聴いた瞬間、会場は静まりかえり、どよめきが起き、
そして歓声と拍手の嵐が巻き起こりました。

最初の印象と、ポールから発せられる歌声とのギャップがあまりにも大きく
それが人々の心をわしづかみにしたのではないでしょうか。
ポールの自信なげで、どことなく冴えない雰囲気から、
一体誰が、あの歌声を想像することができたでしょうか。
ポールの歌声を聴いたとき、誰もが一瞬呆気にとられ、
それが次第に驚嘆と感動へと変わっていったのです。
まさに、平凡さの中に潜んでいた非凡さが認められた瞬間でした。
もしもポールが自信に満ちあふれたイケメンの青年であったならば
感動こそはすれ、鳥肌が立つほどの感銘は受けなかったと思います。

これが平凡さの魅力なのです。
だからこそ私は平凡さにとても心惹かれるのです。
確かに、イケメンや美人、目立つ人へのひがみや羨望もあるかもしれませんが、
平凡さの中にある内気さや自信のなさは、
確実に、ある種の癒しや安心感とつながっているのです。
平凡さだけでも、実は十分に人を惹きつける魅力を持っているのです。
また平凡な人の中には自信が持てないがために、
自分の中に潜んでいる非凡さの存在に
気づいていないということも少なくありません。

その非凡さには、天賦の才という要素もあるかもしれませんが、
それだけでは開花しません。
大好きなことをずっとやり続けているからこそ磨かれ、輝きを増し、
そしていつの日か、日の目を見ることになるのです。
それがどんなきっかけであれ、その非凡さに気づいたとき、
ちょっぴり驚くと同時に、少しだけ自分に自信が持てるようになるのです。
しかしその自信は、決して目立つことなく、あくまでも控えめな自信です。
平凡さの中にある非凡さだからこそ、静かに輝けるのです!

癒しや安堵感をもたらす平凡さの中に存在する光り輝く静かな非凡さ、
これこそが平凡さの中にある非凡の魅力なのです!
「ワンチャンス」はそんなことを教えてくれた映画でした。

もしかしたら、みなさんの中にある非凡さも
そろそろ目覚めのきっかけを待っているかもしれませんね。
いかがですか?
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

コメント

No title

映像を見て感動しました!
「ワンチャンス」を観てみたくなりました。
平凡さの中の非凡、どんな人の中にもあるのかも
しれないと感じました。

  • 2014年03月27日 08:27 |
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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://holicommu.web.fc2.com

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