人の心を操作し、読み取るマジック

2013年11月25日19:00

先日、名古屋で開催された日本ブリーフセラピー協会の
第5回学術会議に参加させて頂きました。
実は、この会の懇親会で私がちょっとしたマジックを披露することになりました。

発端は、今回の大会長である三谷聖也先生と飲む機会があり、
そのときに、私が以前、病棟の催しでマジックを見せたところ、
患者さんや家族、スタッフから「超能力としか思えない!」と、
大変びっくりされたという話しを得意げにしたところ、
今度の大会の懇親会で、是非それをやって下さいと言われてしまいました。
半分酔っぱらっていたので、二つ返事で受けてしまったのですが、
このマジックを人に見せたのはその時が初めてでしたから、
あとになって、ちょっとやばいなあと思ったのですが後の祭りでした。
こうなったら仕方ありません、意を決して当日に望むことにしました。

当日の懇親会では、少しビールを飲んで気分を落ち着けてからいざ本番へ!
まず舞台に立って言いました。
これから皆さんに、
人の心は操作したり、読み取ったりすることができることを
お見せしたいと思います。
皆さんが、何をするんだろうと興味を持って頂いたところで
最初のマジックをはじめました。

まず、参加者の一人に小さな封筒を見せながら
この中にはカード(トランプ)の数字が書いてある紙が入っていますが
中身は見ないでそのまま持っていて下さい、と言って、
その男性に封筒を手渡しました。

その人とは別に、希望者一人に舞台へ上がってきてもらい、
その人に、どんな数字でも結構ですので、
二桁の数字を思い浮かべて下さいと言いました。
その数は何か聞くと彼は11と言ったので、
なぜ11を選んだのかとたずねたところ、
ぞろ目でサッカーの人数だし‥とそれなりの理由を言ってくれました。
それは確かにあなたの自由意志で選びましたね、と確認すると
ハイと、自信ありげに答えてくれました。

さてこれからが本番です。
舞台の上には普通のテーブルが用意されており、
そこには1組のカードの入った箱がひとつ置いてあり、
それを彼に開けてもらいカードを取り出してもらいました。
因みに、最初から最後まで私がそのカードに触れることはありません。

そして数を数えながら、カードを表向きにしながら捨てていきます。
‥9,10、11と数え、11枚目のカードをめくったところで
そのカードは何ですかとたずねると、ハートの8でした。
もちろん、12枚目も13枚目も全く別のカードですし、
10枚目も9枚目も同様、当然違うカードであることを確かめてもらいました。

そこで、今選んだハートの8のカードを持ってもらい、
先程、事前に封筒を手渡したもう一人の彼に舞台に上がってきてもらい
その場で、封筒を開けて中に書いてあるマークと数字を読み上げてもらいました。
彼は、封筒の中身を見て、あっ!っと驚いていました!
取り出した紙には紛れもなくハートの8と書いてあったからです!!

人は、自由意志で物事を決めていると思っているかもしれませんが、
このようにして相手の心を操作して、
選ばせたい数字を選ばせることができるのです!(心の中で)エッヘン
そんなことを言いながら、ひとつ目のマジックを終えました。

皆さん、目を大きく見開き、信じられないという表情をしていました。
私はカードには一切触れないので、ごまかしや操作のしようがありません。
どう考えても、心を操作されたとしか思いませんよね。
普通であれば誰もが驚きます。
私も初めて見たとき、信じられませんでしたから。

会場の皆さんの驚く顔を見て、ちょっと気分がよくなったところで
もうひとつのマジックを見せました。
今度は、心に思い描いたものを読み取るというマジックです。
これもとてもシンプルであるがゆえに、強烈なインパクトがあります。

まずは、また別の人に舞台に上がってきてもらいました。
テーブルの上には3冊の新書が置いてあり、
どの本を使うかを会場の人に手を上げて決めてもらいました。
多数決で「傷はぜったい消毒するな」(夏井睦著、光文社新書)に決まり、
その本を舞台に上がってきてくれた女性に手渡しました。
その本のどのページでも結構ですので、適当に開いてもらい
そのページの最初に出てくる漢字を覚えて下さい、と説明しました。
300ページ程あるその本を彼女はペラペラとめくりながら、
「はい、決めました」と言ったので、
そのまま本は閉じてもらいテーブルの上に置いてもらいました。

やってもらったのは、たったこれだけです。
このあと、彼女にその漢字をしっかりイメージしてもらいました。
もちろん口に出したり、何かに書いたりするようなことはしません。
ただひたすら、その漢字をイメージしてもらうだけです。

私はテーブルの上に用意しておいた小さな紙を手に取り、
そこに、漢字ひと文字を書き、それを四つに折りたたみました。
会場にいた一人を舞台に上げ、今四つ折りにしたその紙を彼に手渡しました。

この段階で、彼女に何という漢字をイメージしたのかをたずねてみると
出発のシュツ、つまり「出」という時をイメージしたと教えてくれました。
そこで、四つ折りの紙を手渡した彼に、
それを開いて何て書いてあるか読み上げて下さいと言いました。
緊張の面持ちで、その紙を開くとそこのは「出」という漢字が
大きな字で紙いっぱいに書いてありました。

ウォーというどよめきの声を聞きながら、
信じられないという表情を、ちょっぴり誇らしげな気分で眺め、
拍手喝采のなか、気分よく舞台をあとにしました。
その後は、参加者のみなさんのいるテーブルに戻り、
心置きなくビールを楽しみました。
緊張から解放されたあとのビールは、本当においしいですね。
何人かの人に、どうやったのかとたずねられましたが、
そんなことを教えるわけもなく、適当なことを言いながら会話を楽しんでいました。

これはれっきとしたマジックであり、それなりのトリックもあるのですが、
しかしそれを知っているからと言ってできるものでもありません。
なぜならば、会話や語りの中に、
それなりの誘導や思いこませるためのテクニックが入っているからです。
これがあるからこそ、このマジックは成立するのです。
こんなことをしていると、いかに人は簡単に思い込まされてしまうのか、
いかに人は自分の都合のよいように誘導できるのかがよくわかります。

実は今、私がやっているコミュニケーションのセミナーでも、
表向きは普通の会話のやり取りなのですが、
振り返ってみると、私自身、知らず知らずのうちに、
誘導や思い込ませるためのテクニックを使っていることに気づきました。
だからこそ、今回のマジックも話の仕方などを自分なりに工夫して、
うまくやることができたのかなとも思いました。

これらのテクニックは使いようによっては、いくらでも悪用もできますが、
そこは自分の良心を信じていますし、悪用する気もありません。
コミュニケーションの実際では、
よい意味での思い込み、たとえば自信がない人にちょっぴり自信を持たせたり
こんな自分でもいいんだと思い込んでもらう等々、色々なことができます。
そういうことに、このようなテクニックを使い、
より一層、皆さんが幸せでハッピーになってもらえるよう、
これからもがんばっていきたいと思っています。
皆さんも、是非そんなコミュニケーションスキルも身につけ、
日常でも大いに利用していただけたらと思います。
これからも、一緒に楽しく学んでいきましょう。
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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://holicommu.web.fc2.com

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