数独と時間

2011年10月18日06:50

皆さんは数独をご存じでしょうか。
9×9のマスに1から9までの数字を入れるだけの、あのシンプルなパズルです。
7月のある日、本屋で何気なく買ってしまったのが運の尽き、
ちょっとやり始めたら、やめられなくなってしまいました。

私が買ったのは宝島文庫の1冊で初級問題100問と
中級と上級の問題がそれぞれ25問の合計150問が載っている本でした。
数独はほとんどやったことがなかったのですが、
やっているうちに要領がわかり、結構夢中になってしまったのです。

いつも朝4時に起き、あれこれしたあと5時前後には病院に入ります。
朝の時間はとてもリラックスできるので、今まではコーヒーを飲みながら、
原稿書きや勉強、雑用をこなすといった時間に費やしていました。
しかしこの数独を買ってからは、ついこれをやってしまうのです。

1題だけやってみようと思いやり始めるのですが、それが止められなくなり
つい3題、4題と解いてしまい、疲れたところでようやく止めになります。
すると、1時間程度はあっと言う間に経ってしまいます。
もうやめようと思っても、ついもう1題くらいと思い、
それがなかなかやめられなくなってしまうというわけです。

中級や上級はそれなりに難しくなってきますが、
それがまた、私の闘争心を燃やすことになります。
上手くできないと最初からやり直し、再挑戦をするので、
時には1題を解くのに2時間くらいかかったこともありました。
それでなくても上級の問題になると、一題を解くのに40分前後はかかるので、
結構時間を費やすことになります。

こうして朝の貴重な時間がつぶれてしまうのですが、
実はそれだけではとどまりませんでした。
ちょっと昼休みに自分の机に戻ると、目の前に置いてある数独に
つい手が伸びてしまい、またやってしまうのです。
その後もちょっとでも暇があると、ついついやってしまうため、
やらないといけない仕事があっても、つい数独が優先されてしまうため、
他の仕事はずっと後回しになるか、割愛されてしまうことになるのです。

私はテレビゲームの類は全くやりませんが、
子どもたちがゲームに夢中になってしまう気持ちが
ちょっとわかった気がしました。

通常は仕事を終えたあと、夜8時頃まであれこれしているのですが、
この時間も、先ずは数独に奪われてしまうのです。
どうしても手が伸びてしまうんです。
本当はもっと他にやらなくてはいけないことがあっても、
どうしても数独が優先されてしまうのです。
今日はやめようと思っても、どうしてもやめられませんでした。

そこで、やめるという発想を転換し、
逆にできるだけ早く150問すべてを解いてしまおうという考えに変えました。
やるものがなくなれば自ずとやらなくなるというわけであり、
そうすればこの数独中毒から抜け出せると考えたのです。

何とか9月中にはやり終えようと思い立ってからは、
逆に時間さえあれば数独をやっていました。
1日4,5時間やっていた日も少なくなかったと思います。
その甲斐あって、何とか9月末日をもって仕上げることができました。
初級問題は平均20分くらいで解き、中級は30分程度、上級は40分程度で
150問をすべて解いたとしても、何度かやり直している問題もあるので、
この150問をすべて解くのに80時間以上の時間は費やしたと思います。

たった一冊の本に80時間もかけたのは初めてです!
もしこの時間を、一般の本を読む時間に充てることができたら、
40冊くらいは読めた計算になりますから、数独に夢中になってしまったがために
いかに無駄な時間を費やしたかがわかります。

でもここで、ふと考えました。
もし数独をしていなかったら、
本当にこの80時間をもっと有意義なことに使っていただろうかと…。
確かに、二ヶ月半で80時間というのは、
かなり時間の無駄遣いをしたような気にもなるのですが、
しかし、もしも数独をしていなかったら、
この時間をそんなに集中して何かに取り組むということも
なかったのではないかと思うのです。

本を読むにせよ、勉強をするにせよ、原稿を書くにせよ、
ついダラダラとしてしまったり、途中でボーッとしてしまったりと、
結局、数独をしているときほど集中して何かをやるということは
なかったのではないかと思ったのです。
逆に言うと、数独という集中できる題材があったからこそ
少しの時間を見つけては、それに集中でき、結果として、
その積み重ねが80時間になったということではないかと思ったのです。

つまり、人は何か集中するものがあれば、時間を惜しんでもやりますが、
そのようなものがなければ、たとえ十分な時間があっても
ダラダラと過ごしてしまう傾向があるため、
結局は何もできずに終わってしまうというわけです。

自分のこれまでの時間の使い方を振り返ってみても確かにそうでした。
朝早く病院に来て、十分な時間があるにもかかわらず、
結局はその時間をダラダラとメールのチェックに費やしたり、
どうでもよい本や雑誌を見ていたりして、
十分に有効利用していたとは言い難い状況でした。

今までは時間があれば、色々なことができると思っていたのですが、
取り組むべきものがはっきりしていないと、
その時間は、結局はあまり有効利用されないことになります。
たとえ、時間があまりなかったとしても、
やるべきことがはっきりと決まっていれば、
それなりに集中することができるので、
結果として、成果を上げることができ、満足感や達成感も得られます。

数独にはまり込んでいた日々を振り返ってみて、
とても無駄な時間を過ごしてしまったような気になっていましたが、
逆に今は、とても有意義な時間だったと思えるようになりました。
なぜならば、やるべきことを決めておけば、時間は有意義に使えるということに
あらためて気づかせてもらえたからです。
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テーマ : 気付き・・・そして学び
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://holicommu.web.fc2.com

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