映画「Flowerws」を見て

2010年06月17日17:08

映画「Flowers(フラワーズ)」を見た。
見ながらよく泣いた。
よく泣きながら、いろいろな思いが出てきた。
そしていろいろ考えた。

この映画は三世代にわたる6人の女性の生き方に焦点が当てられている。
どんな人でも、その人が生を受けるためには必ず両親がいる。
その両親にも、それぞれを生んでくれた両親がいる。
こうして命の絆は脈々と受け継がれていく。
そんな、あまりにも当たり前なことが、この映画を見ていると、
全然当たり前なことではないことに気づかされた。

一人一人がその時代背景や生き方、考え方の違いにより
時には苦悩し、時には喜び、時には後悔もする。
そんな様々な思いの積み重ねの中で、人は生き、愛し、そして死んでいく。
みな、それぞれにその人なりの物語があるのだ。
その物語の中には新しい登場人物も出てくる。
それが、その人の愛する人であり、子どもたちだ。
そして、その人たちにもまた同じように様々なドラマがある。
これが永遠に続くのだ。

私にも両親がいる。
この二人にも、それぞれのいろいろなドラマがあったに違いない。
父親からはよく刑務所生活の話は聞かされたし、
母親は雀荘のママとして働き続けてきた。
きっと私には知り得ない、たくさんのドラマがあるに違いない。

また両親のそれぞれの両親とて同様だ。
戦争、疎開、貧困、暴力、浮気、徘徊等々、断片的な話は聞いたことがあるが、
それ以上のことは知らない。
しかし、平凡ではない物語があることは想像に難くない。

そのようなつながりの中で、今ここに「私」がいる。
小さい頃、父親の母、つまり祖母と一緒に暮らしていた時期があった。
一日中座ってテレビを見て、食事をして、そして寝るといった生活をしていた。
何もせずに一日をボーッと過ごす祖母の姿を見て、
なんてつまらない人なんだと思っていたことを思い出す。
でも、その祖母にも若かりし頃があり、結婚して私の父親も生まれた。
そこにもきっと、様々なドラマがあったに違いない。
そして、私の父親もまた結婚し、私が生まれた。
その私も結婚し、そのつながりは4人の子供たちへと受け継がれている。

普段は、日常の仕事や様々な出来事に振り回され、
目の前のことにしか意識が向かない。
いろいろと迷ったり、落ち込んだり、不快になることも多い。
不平不満もあるし、うまくいかないこともある。
そう言いながらも、何とかその日その日を乗り越えている。

「今」に目を向け、そこに一生懸命取り組むことは大切だ。
困難に出くわしても、それに面と向かって立ち向かっていくしかない。
しかし、そのようなつらい日々に目を奪われてしまうと、
時として、いったい自分は何をしているんだろうか、
という思いにさいなまれることがある。

でもこの映画を見て思った。
思うようにいかない現実にぶつかると、つい自分を中心に物事を考え、
悶々としている自分がそこにいるが、
その自分も実は、綿々と連なる命の歴史の1ページに刻まれ、
そのつながりの中で、生かされている存在なのだと。
時代や状況によって、苦悩や困難の中身は異なるかもしれない。
でも、それを乗り越えるべく、各々がそれぞれの立場でがんばってきたのだ。
そしてまた、自分もその歴史の中の一人として、今、生きているのだ。

今まで続いてきた命のつながりと、
これからも続くであろう命のつながりを結びつける
とても大切な存在が、今の自分なのだ。
そのような命の歴史の一端を担っている貴重な存在だと思えたとき
目の前の困難や人生の不条理にも立ち向かえる勇気と希望がもらえる気がした。
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://holicommu.web.fc2.com

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