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コミュニケーション医学

2019年04月03日17:29

今年もいよいよ、新年度が始まる4月になりました。
また5月からは年号も「令和」に変わります。
さらに私事ではありますが、
7月には初孫が生まれる予定ですし、
8月には私自身、還暦を迎えます。
令和元年は私にとって
ひとつの大きな節目の年になりそうです。

そんな私が今密かに?思いを馳せ巡らせているのが
「コミュニケーション医学」です。

私はもともと心療内科医でしたが、
その頃はずっと心理療法で
患者さんの治療をしていました。

平成14年から緩和ケア医となりましたが、
心理療法やコミュニケーションの楽しさが忘れられず、
平成19年からは一般の人を対象に、
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーも
開催するようになりました。

このセミナーをしているときはとても充実感があります。
悩みを解決したり、希望を持ってもらったりするための
コミュニケーションスキルを教えることは
私にとって大いなる喜びなのです。

しかしその一方で、
これでよいのだろうかという思いが
何とはなしにくすぶっていたのも事実です。

実を言うと、
私は今の医療を変えたいと思って医者になった人間でした。
30年前に医者になった頃の思いと今の思いとでは、
医療に対する考え方は多少違ってはきていますが、
しかし、よりよい医療に変えたいという思いは
今も昔も変わっていません。

ところがそんな思いを持っていながらも、
未だにそのための行動は何も取っておらず、
そんな自分に少々歯がゆさを感じていました。

そうこうするうちに還暦が間近に迫り、
令和の世が来るという年になってしまい、
この節目のときを逃したら、
一生涯何もせずに終わってしまうという
焦りの思いが次第に強くなってきました。

そんな中で、私の頭を占めるようになってきたのが
コミュニケーション医学のことでした。
実はコミュニケーション医学という言葉は私の造語です。

でもその意味するところはとても重要だと思っています。
ひと言で言うならば、コミュニケーション医学とは、
“コミュニケーションそのものを治療として考える医学”
といった意味合いの言葉です。

医療の現場では、医療者も患者さんも
薬や手術が、患者さんを治していると思っていますが、
実はそれだけではありません。

心と身体はつながっており、
患者さんの心の状態が、
病気や症状の悪化や改善に大きな影響を与えているというのは
多くの研究でわかっています。

つまり医療者のかかわり方次第で、
患者さんは安心したり不安を感じたりするため、
それが治療結果を左右することになるということです。

しかし残念なことに、
医療者はあまりそのことを認識していません。
もちろん医療現場におけるコミュニケーションの重要性は
誰もが知っているところです。

ところがそれはあくまでも、説明をしたり、
理解を促したりするためのものであり、
コミュニケーションそのものが、
治療になり得るという認識はほとんどありません。

私は、その点をもっと医療者に
認識してもらいたいと思っているのです。

医療者のコミュニケーションいかんにより、
病気や症状が改善したり悪化したりするという認識が深まれば、
病気を機械の修理と見なすような医療が、
もう少し血の通った人間味のある医療に
変わるのではと思っているのです。

コミュニケーションは医療そのものであり、
医学の中の一分野になり得る存在なのです。
その事実を医療者も患者さんも
もっと認識してもらいたいという思いから
今年に入ってから、様々な機会で
「コミュニケーション医学」という言葉を使い始めました。

そしてチャンスがあれば、色々なところで
話もしていきたいと思っています。
理解してくれる人が増えてくれば、
研究会や学会も作りたいと思っています。

私が医療を少しでも変える行動ができるとするならば、
コミュニケーション医学を置いて他はないと思っています。

一人でも多くに人にコミュニケーション医学を知ってもらい、
一人でも多くの医療者が
コミュニケーションは治療そのものだという認識を
持ってもらえることを願いつつ、
来る令和元年を歩んで行きたいと思っています。

なお、4月21日には大阪で
コミュニケーション医学に関する
初めての講演会を行いますので、
興味のある方は是非おいで下さい。
お待ちしております。
https://www.holistic-kansai.com/mf.html

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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://kuromarutakaharu.com

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