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ノーベル賞報道に対する喜びと心配

2018年10月02日16:26

先日、ノーベル医学生理学賞が発表され、
京都大学特別教授の本庶佑さんが受賞しました。
彼が発見した免疫にかかわるタンパク質「PD-1」が
今話題の新薬である「オプジーボ」の開発につながっています。
日本人がまたノーベル賞を受賞できたということは
とても嬉しいことです。

2011年にはラルフ・スタインマンが
樹状細胞の役割を解明したということで、
同じくノーベル医学生理学賞を受賞しています。
こちらは、樹状細胞がんワクチン療法という、
オプジーボと同様、
がんに対する免疫療法の開発につながっています。

ただし、樹状細胞ワクチン療法は、
保険診療では認めてられていないため、
すべて自由診療による治療になります。

そのため治療を受けるとなると全て個人負担となり、
施設によっても異なりますが、
治療費は1クール数百万円かかります。

一方、オプジーボは保険診療で受けられる治療なので、
患者さんの負担は実際にかかる費用の1割~3割になります。
当初オプジーボは、年間3000万円以上かかる薬でした。

今は薬価の値下げによりだいぶ安くなり、
来月からはさらに値下がりしますが、
それでも、1回30万円前後はかかります。

これを2週間に1回、治療を受けるのですが、
仮に1年間続けたとすると約720万であり、
1割負担だとすると患者さんは年間72万円の支払いになり、
月々6万年程度の支払になります。
残りの費用は健康保険で賄われることになり、
それらは国民の税金により支払われることになります。

樹状細胞ワクチン療法のように、
治療を希望する人が全額負担するのと異なり、
医療保険で賄われる治療に関しては、
患者さん自身にはあまり負担がかからないかわりに、
国民みんなの税金でその負担を受けることになります。

治療が高額になればなるほど、
医療保険で支払われる額も高額になり、
そうなると、いずれは国民健康保険制度が崩壊することにも
なりかねません。

今は、ノーベル賞を取ったことで
オプジーボのよい面ばかりに目が向けられていますし、
その勢いに乗って、今後はさらに
オプジーボで治療されるがん患者さんも増えてくると思います。

もてはやされればされるほど、
どんどん医療費は高騰し、国の財政を圧迫することになります。
みんながノーベル賞受賞を喜んでいるのを見て、
ちょっと心配になってしまうのは私だけでしょうか。


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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://kuromarutakaharu.com

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