潜在意識にひそむ思考のクセ

2016年12月21日06:33

12月11日に京都の山科で
特別講演「潜在意識にひそむ思考のクセ」を開催しました。

このテーマで話しをするのは初めてであったこともあり、
久しぶりに準備に時間をかけ、また当日もかなり緊張していました。
今回は、その内容を簡単に振り返って見ようと思います。

導入として、いかに人の脳は一つのことに目が向くと
他は何も見えないかということをわかって頂くために
動画をお見せしました。

この動画では、まず、白と黒のトレーナーを着た
バスケットの選手が映し出されます。
その後すぐに英語の字幕で
「白を着たチームは何回パスをしたでしょう」と出ます。
先ずは見てみて下さい、パスは何回でしたか?

バスケットボールYouTube映像

この動画を見せたときには、
ほとんどの人が、ムーンウォーキングをしているクマが見えませんでした。
あなたは見えましたか?見えなかった?もう一回見てみてください。

以下は当日お話しした内容の一部です。

人は言葉の表現いかんで、全く異なる印象をもたらします。
例えば同じ自動車事故の映像を二つのグループに見せ、
次のように言います。
①二台の車が激突したときどれくらいのスピードを出していましたか?
②二台の車がぶつかったときどれくらいのスピードを出していましたか?

①とたずねられたグループは平均65km/hrと答え、
②とたずねたれたグループは平均55km/hrと答えました。
つまり「激突した」と言うか「ぶつかった」と言うかによって、
同じ映像を見ているにもかかわらず印象が変わってしまうのです。

またコントラスト(対比)のワナというものもあります。
例えば車のカーマットを買おうと思い店に入ると
1,980円のものあれば15,000円のものあります。
このときさすがに15,000円はちょっと高いなと思い
購入しないのが一般的です。

しかし150万円の新車を購入した際、
ついでに15,000円のカーマットを勧められると、
あまり高いとは思わずつい買ってしまう人は少なくありません。
これがコントラストのワナです。

これはコース料理の値段設定などにも応用されています。
例えば、Aコース4,000円、Bコース3,000円と書いておくと
多くの人は3,000円のBコースを選びますが、
Aコース6,000円、Bコース4,000円、Cコース3,000円と書くと
たいていの人は4,000円のBコースを選んでくれます。

つまり選ばせたいコースを真ん中に設定し、
それよりもやや高めに「おとり」を設定しておくというわけです。

このように、人には、
他のものと対比して物事を決めるという思考のクセがあり、
これは様々なところで広く利用されています。

また数字表現の仕方でも全く印象が異なります。
例えば、喫煙者にこれからも喫煙し続けると
今後20年間の死亡率は30%高くなると言えば、
禁煙に踏み切る人もそれなりにいるかもしれませんが、
今後20年間の死亡率が1%から1.3%に増えると言ったら
だれも禁煙する人なんていないでしょう。

これは全く同じことを違った表現で言っているだけなのですが、
表現の違いにより与える印象が全く異なり、
結果、相手の行動やモチベーションにも
多大な影響を与えることになります。

医療の世界では、病気の危険性や治療成績のよさを示す際、
この手法はよく使われます。
皆さんも知らず知らずのうちに思考を操作されているというわけです。

それ以外にもたくさんの思考のクセを紹介しましたが、
最期は「返報性(恩義)」について話をさせて頂きました。

人は、何かをしてもらったらそれに対して
お返しをしないといけないという心理が働きます。
これが返報性と言われるものです。

例えば試食コーナーで、何か一口食べると
なぜか、その商品を買ってもいいかなという気になるものです。
試食ですから、恩を感じる必要性は全くないはずですが、
人には返報性という心理的性質が潜んでいるため
つい買ってしまう人も少なくないのです。

そして締めは再び動画を使わせて頂きました。
返報性と言うとついビジネスがらみで考えてしまいがちですが、
人が持っている返報性という心理は
本来は純粋なものであり、大切なものだということを
この動画を見る度に思い知らされます。
感動しますので、涙を拭う用意を。

タイのCM映像


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プロフィール

黒丸尊治

Author:黒丸尊治
もともと心療内科医でしたが、縁あって今は緩和ケア医として仕事をしています。もともと、コミュニケーションや「心の治癒力」に大変興味をもっており、今はホリスティック医学にもかかわっています。どちらかというと、のんびり屋でマイペースです。あまり人と同じことをしたくないという、天の邪鬼なところあり。
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーHPはこちら。
http://holicommu.web.fc2.com

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